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アメコミの感想ブログです。

スーパーマン:アメリカン・エイリアン

こんにちは!ドロです!

 

私のブログを見てくれているような人は、一度は考えたことがあると思います。

 

「もしも自分にスーパーパワーがあったら?」

 

んーそうですね。正義のた為に悪党を倒したり?街の平和を守ってみたり?はたまた、力に溺れて悪事に加担したり…。

いくつか選択肢があると思います。でも、それは今のヒーロー達を目にしているから。ヒーローの概念が無い世界でスーパーパワーを手に入れたら一体どう考え、何をするのか。

自らの常軌を逸したパワーに頭を悩ませることでしょう。

そう。それは、かのスーパーヒーローも同じでした。

これはクリプトン星人のスーパーマンの物語。ではなく、地球人のクラーク・ケントの物語。

 

『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』

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をご紹介いたします。

 

『苦悩の少年時代』

 

前述の通り、生まれながらに強大な力をもっていたら?身体は勝手に空を舞い、人とは思えない怪力。傷一つつかない身体。夜な夜な光る眼から出る光線…。スーパーマンを知ってる私達からすれば羨ましく感じるかもしれませんが、当の本人にしてみれば恐怖そのものでしょう。普通とは違う。みんなと同じくは過ごせない。これが子供にとってどれだけ怖いことであるか私は知っています。

足が遅い。一人で絵を描いている。背が大きすぎる。小さい。そんなことですら、差別の対象になってしまうような子供の世界で、完全に普通じゃない力…。

そんな不安ドン底の深い闇から救ってくれるのは両親や友人でした。

個性を認め、「逆に考えるんだ。普通じゃなくたっていいさ…と。」そう言ってくれる人がクラークにとっては両親でした。

心配ながらも、私達の息子だ。とクラークの闇を払ってくれるのでした。

その甲斐もあり、少年クラークは自分の力をコントロールできるようになります。無邪気にはしゃぐ彼を、微笑ましくも心配そうに見つめる両親の目は暖かくもどこか憂いを帯びていました。さも彼の未来が見えているかのように。

 

『大いなる力には…?』

 

成長したクラークは完全とはいかなくも、力を制御できていました。友人達のピート、ケニーもその力を理解している上で、普通と変わらない付き合いをしてくれるのでした。「透視能力で人の裸を見るなんてサイテーのエイリアンだ」なんて冗談をとばしながら。

そんな中騒動は起きてしまうのです。

強盗殺人が身近に起き、スーパパワーで犯人の正体は掴みつつも協力はしないクラーク。恐らく普通の人間でいたい気持ちのせいなのかと思います。しかしピートの

 

「殺されたのがお前の両親だったら?俺だったら?それでもお前は何もしないのか?」

 

そう説得され、決心したクラークは単身、犯人グループの元に乗り込みます。

銃で撃たれても平気。目から怪光線。怪力の怪物に襲われたと重体となった犯人達は語るのでした。

犯人達を倒し、人質のなっていた家族を救ったクラークでしたが、未だ自分はやっぱりバケモノなんじゃないかという思いを捨てきれないようで、母マーサに対してもその気持ちを吐露します。

マーサはクラークの身を案じて、こんなことはもうしないで。と叱ろうとしますが、口から出た言葉は「…お前がいなければ、あの家族はどうなっていたか、それがずっと頭から離れなくなって」

この物語はスーパーマンとしての精神を作る根幹になりえる事件の一つのような気がしますね。クラークももちろん悩みますが、それは彼だけではないということ。これはスーパーヒーローでなくとも大切な人がいる人間は皆おなじではないでしょうか。

 

『宿敵、好敵手、仲間、そして…』

 

もちろんスーパーマンのオリジンを深く掘り下げるのも本誌の魅力の一つなのですが、それ以外にもバットマン、レックス、デスストローク、ロボ、ロビンなど様々なキャラクターが共演を果たします。クラークとどんな邂逅を果たすのか?それも魅力のひとつ。扉絵にもスーパーマンの物語に関連するキーワードが散りばめられていて細かい気が利く面白い仕事を沢山目にすることが出来ます。

やはりバットマンの因果は深く、この2人の絡みは必然的であるとも言えます。

対してレックスはマストな人物だとは思う反面、現行誌を追ったりしていた身ではない私からすれば、正直なところ過去の人のような気がしてしまいました笑 なんか久しぶりにお見かけした気がします。

以外だったのは、デスストロークとロボで、まさかのサプライズにテンションが上がってしまいました。しかしまぁチョイ役で…大好きなデスストロークにいたっては一瞬で出番はなくなってしまいましたし…。

それでも、やはりスーパーマンとなる前の出会いだからこそ面白い部分は大きいですね。

 

『君はスーパーな友達』

 

いよいよ、本格的にスーパーマンとしての活動を始めたクラーク。

そんなところへ、かつてからの友人であるピートとケニーからはるばるカンザスから遊びにやってきます。

最初は意気揚々と楽しく時間を過ごしていましたが、夜になって酒を酌み交わすうちにピートにスーパーマンとしての本質を問われます。

本当にしたい事はなんだ。

何の為に戦う。

そしてお前は何をすべきか。

今の状態で地球の…両親に顔向けできるのか。

そんなんでブチ切れたクラーク叫びながら超速で月へ 笑 

大気圏あたりで燃え尽きた後、そこでグリーンランタンの1人にクリプトンの真実を知らされるのですが、まぁそれはとりあえず置いておいて。

気がつくとアパートの屋上に転がっていたクラーク。介抱してくれたのはピートのようです。

クラークが謝ろうとするや否や、ピートが先に口を開きます。

スーパーパワーを持っていてとんでもなく強くても、これからもっと強大な敵が現れるかもしれない。そんな時、俺はもちろん、お前の正体を知ってる身近な人間は誰一人としてお前の助けになれることは…何もないんだ。

お前は1番の友達なのに。

 

とピートはスーパーマンとして活躍するクラークへの思いの丈を、怒りの訳を、打ち明けるのでした。

 

全編に渡って言える事ですが、この回では特にスーパーマンも人間なんだと強く身近に感じました。事実私にとっても友人という存在はいつも大きくとても大事なものです。いつも自分のそばにいて、すっと手を差し伸べてくれるのは友人達です。両親が知らない一面ですら知っていたりしますからね笑

たぶんそれはクラークも同じですね。

 

『まとめ』

 

正直なところ、私はスーパーマンて何処か人間味にかけるイメージがあったんです。無機質で真面目で正義に生きる男。何処か、つかみ所のない、全てを押し殺したかのような笑顔…。

とはいえ、近年スーパーマンもドラマや映画などで多数作品化され、彼のオリジンに触れることでその印象は崩れつつあったのですが、この作品はそれに拍車をかけましたね。

スーパーマンもヒューマンなんだと、パワーこそ異星人であれど、本質としては地球人に近いぞと。

最初の方に感じていた。完全超人のような冷たいイメージは彼の正義への覚悟ゆえなのだと思います。

本誌では全編をとおして、スーパーマンとしての彼が形成されるまでに必要な物を全て詰め込んでいます。これを読むだけで他のスーパーマンの作品が少し違って見えるかもしれませんよ。断言してもいいでしょう。スーパーマンを語る上で本誌を読むのは絶対に必要なことだと思います。

 

と、なんか少しお堅い空気になっちゃいましたね。DCは人間性に深く踏み込んでくることが多いので、どうしても…笑

 

今回はこんな所で、失礼致します。

閲覧ありがとうございました!

 

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